
2026年4月1日、渋谷のラジオは開局10周年を迎えました。
2016年、コミュニティFMとしてスタートした渋谷のラジオは、大都市の渋谷で、もしも大きな災害が起きた時、この街にいる人たちがどう助け合えるのか、その問いから生まれて、10年間「渋谷のみんながつながるラジオ」として人と人とをつないできました。
10周年の節目を迎えた渋谷のラジオが新たに掲げたテーマが「渋谷の みんなを つなげる ラジオ」。
一人ひとりの声や想いが、未来をつくります。
渋谷で暮らす人の声や想いをこの街に響かせながら、新しいつながりを生み出していきます。
そんな渋谷のラジオの開局10周年を記念して、2026年4月1日、
渋谷のラジオ開局10周年特別番組「渋谷のみんなをつなげるラジオ」を放送しました。
渋谷駅東口地下広場に設置された特設スタジオからは8つのトークセッションをお届けしました。
19時からは、「渋谷×音楽」をテーマに、渋谷系を代表するお二人をお迎えしました。
毎週月曜午後5時から放送している「渋谷のラジオの渋谷系」に、開局から10年ご出演いただいている、アーティストの野宮真貴さん、カジヒデキさんです。
特設スタジオ最後のプログラムは、渋谷のラジオで毎日夜7時に流れる時報『東京は夜の七時』の生演奏からスタートしました。
島田亜紀恵さん(以下、島田):たくさんの方がこの生演奏の瞬間を待っていらっしゃったと思うんですけれども、私自身、『東京は夜の七時』の生披露を聞くのが、だいぶ久しぶりだなというのもあって、少し胸に来るものがありました。
野宮真貴さん(以下、野宮):そうですよね。渋谷のラジオでは毎日ね、この『東京は夜の七時』が午後7時の時報になっていて。
島田:そうなんです。
野宮:世界で一番長い時報って言われてるんですけどね。
この曲は、ピチカート・ファイヴの代表曲でもあるし、私の代表曲でもあるけど、渋谷っていう言葉は一回も出てこないんです。でもなんか自分の中で、待ち合わせてるシチュエーションとか、渋谷のスクランブル交差点を思い浮かべながらいつも歌ってます。
島田:カジさんは今演奏されたばかりですけれども、どんな思いで歌って、あるいは演奏してくださったんですか。
カジヒデキさん(以下、カジ):そうですね。野宮さんとは、90年代にね、「渋谷系」なんて呼ばれてまして。90年代にピチカート・ファイヴは大好きだったんですけど、実際にはあんまり交流がなくて。割と2010年代ぐらいになってから親しくなって、なおかつこの番組(「渋谷のラジオの渋谷系」)を、10年もやらせていただいてるので。もうすごく幸せなことですね。
だからやっぱり、特に『東京は夜の七時』を演奏すると、すごくこの10年の流れを感じて、感動しますね。
島田:そうですか。まさにお話しいただきました「渋谷のラジオの渋谷系」は開局した当初からお送りしてくださっているわけなんですが、改めて10年前に思いをはせていただきますと、あの頃の渋谷のラジオ、あるいは渋谷の街っていかがでしたか?
野宮:渋谷の街。そうですね。もう変わりましたよね、この10年でね。本当に様変わりして。渋谷のラジオのあるビルもね、ビルの周りが全然10年前と違うし。渋谷の街もね、ずいぶん変わりましたよね。
カジ:10年前とかはまだ渋谷スクランブルスクエアとか、あの辺のビルはほとんどなかったので。(あったのは)渋谷ヒカリエぐらいかなって思うんですけど。
島田:10年前は入り口も砂利道だったりとかして。
野宮:毎週スタジオに来るたびにね、電車とか、ホームとか、出口も変わるし。迷いながらたどり着いたって感じだよね。
カジ:そうですね。あれ、こんな道ができてるの、とか。渋谷駅って本当に迷路みたいな感じなので。
島田:この10年、番組にはさまざまな、スペシャルなゲストもお招きしながらお届けしてきました。そこでも音楽の話、いろいろと展開されましたけれども、ライブとは違った、ラジオでの交流みたいなものもあったりするんでしょうか。
野宮:そうですね。本当にレジェンドのゲストの方もたくさんお招きしました。例えばシーナ&ロケッツの鮎川誠さんとか来てくれたりね。
カジ:お亡くなりになってしまいましたけど、信藤三雄さんも。
野宮:そう、アートディレクターの信藤三雄さん。結構何回も来てくれたよね。
カジ:そうですね。信藤さんはかなり最多出演ぐらいな感じで来てくださったり。
野宮:私は割とそういうレジェンドゲストを呼ぶんですけど、カジくんは逆に若手のフレッシュなミュージシャンをね。
カジ:それこそ最近で言うとアマイワナさんみたいな、「渋谷系」のフォロワー的なアーティストの方とか、若いアーティストの方も。
やっぱりラジオ番組って意外と出演するの難しかったりするじゃないですか。そういう意味で言うと、気軽に出演していただけるし、いい経験になるなって思ったりして。
野宮:あと私たちの番組「渋谷のラジオの渋谷系」は、夕方5時からですので、「渋谷のハッピーアワー」ということで、いつもスパークリングワインとか飲みながら、ゆるい感じでやってるので。
カジ:例えば若手の方とかは、やっぱり緊張されるんですよ。でも、リラックスして。
野宮:お酒を少し召し上がりながらリラックスして、いろいろお話聞けますよね。
島田:お二人はもうレジェンドですから、渋谷の街と深いつながりがあることは、みなさんもよくご存じかなと思うんですけれども。カジさんはね、渋谷の宇田川町のレコードショップにいらっしゃったりとか。
カジ:そうですね。僕は、もともと80年代後半ぐらいから渋谷で遊ぶことも多かったんですけど、特には90年代、実際には91年から95年ですかね。バンドをやりながら渋谷のレコード屋さん、まさに宇田川町のレコード屋さんで、4年半ぐらいですかね、バイトをしてたんで。だからほとんど毎日渋谷に来ていたので。そういう意味ではかなり「渋谷系」かもしれない。
島田:そういう人のつながりとか、音楽が発信される拠点がいくつもあったっていうのが、当時の渋谷っていうことなんでしょうか。
カジ:はい、もう、そうですね。
野宮:そうですね。だからそういう、「渋谷系」っていう名前が生まれたのも、HMV渋谷店がやっぱり大きかったし、あとタワーレコードがあったり、カジくんがバイトしてたような、そういう小さなレコード屋さんもたくさんあったし、ライブハウスもたくさんあったし、映画館もたくさん。
だから「渋谷系」って、ひとつの音楽ジャンルっていうよりも、ひとつのカルチャーみたいなものだから。渋谷って言えばファッションの街でもあるし。
島田:ファッションといえば、野宮さんですけれども、やっぱりそういった点でも、渋谷の変化を感じられましたか?街自体がおしゃれになったっておっしゃっていましたよね。
野宮:90年代に、信藤三雄さんとかアートディレクターがデザインするグラフィックデザインが街中にあふれて。おしゃれ度がアップしたと思いますね。そういう意味では、「渋谷系」は貢献したと思う。
島田:まさにそういったカルチャーに引きつけられて、今日もたくさんの方にお集まりいただいたのかな、なんて思うんですけれども。
改めて「渋谷と音楽」という点で、野宮さん、これから渋谷がどんなふうに変わっていったらいいな、あるいはこのままでいてほしいななど、どんなふうに感じていらっしゃいますか。
野宮:渋谷は特にね、本当に日々変わっているけれど。最近ほら、ニュースで「百貨店がなくなる」とかね、ちょっとそういうのは、マダムの憩いの場がなくなっちゃうんで、マダムの域にいる私としては寂しいんですけども。
だから、(渋谷は)若者の街っていうイメージがありますけども、これから先は、シニアも増えるし、成熟した大人が楽しめる場所ができたらいいなと思いますね。
島田:「成熟した大人が」というと?
野宮:つまり、ヨーロッパ、パリとか、ニューヨークだと、年配のご夫婦がね、着飾ってオペラを見に行ったりするじゃないですか。なんかそういう成熟した大人が楽しめる場所とかが、今後、渋谷に期待していることかな。
カジ:そうですよね。それこそ僕らっていうか、90年代とか、渋谷系を体感した人たちはやっぱりそういうものが好きじゃないですか。
パリだったりロンドン、そういう文化がみんな好きだし。その人たちも(今)50代とか60代とかになってるから。そういう場所がやっぱり必要だなってすごく思う。例えば飲食店もそうですし、映画もそうだけど。街が、ビルが変わっても、そういう場所がやっぱり増えていくといいなというふうに思います。
野宮:やっぱりニューヨークだったらタイムズスクエア、ロンドンだったらピカデリーサーカス、パリだったら凱旋門のように、やっぱり東京はそれが渋谷っていう都市であってほしいですね。
この10年で変わったことといえば、海外の観光客の方が本当に増えたこともあるよね。
カジ:やっぱり渋谷のスクランブル交差点って、世界的に有名な場所なのかなと。
野宮:前からスクランブル交差点って、世界一の待ち合わせ場所だと思ってたんですけど、それが本当に今、いろんな海外の方が来るから。スクランブルっていう意味がその通りになってるし。素敵だなと思います。
島田:残り時間も少なくなってきたところで、リスナーさんもたくさんいらっしゃいますので、この先番組でやりたいことがあれば教えていただきたいなと思うんですけれど。
野宮:まずはね、10年という節目に、スタジオ飛び出してライブをやったりとか、あとは若いミュージシャンをお呼びしたり、いろんな交流できたらいいなと思います。
カジ:そうですね。番組からもっといろいろ広がっていくといいかなと思うので。ゲストもできるだけ呼んだりしたいなと思いますし。いろんな交流の場になるとすごくいいなと思います。
島田:そうですね。まさにここが、そういった、大人が集いたくなるような場所にもなるかもしれませんし、若い世代の方も入りやすいような入り口、きっかけになるかもしれませんよね。
野宮:そうですね。
島田:ちなみになんですけれど、番組でいつもスパークリングワインを開ける時の「ポン」っていう音、ディレクターが録音していると思うんですけれども、新年度もありますか。
・・・(ディレクターの顔を見て)あ、首をかしげておりますが(笑)。
野宮:本当に10年で何本飲んだんでしょうね。でも幸せな音なんでね、「ポン」って。
カジ:失敗も結構たくさんあって。あふれてビシャビシャになって。
野宮:いいワインに限ってあふれるよね。
島田:以前は「ポン」って(開けて)、「ああ」ってあふれたらスタッフがタオルを持ってスタジオに駆け込んでいたんですけど、最近はもうタオルが常備されるようになりました(笑)。
引き続き、そんな楽しみもありながら番組を続けていただけたら、私たちも嬉しいなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
■トークセッション全編のアーカイブはこちら
https://note.com/shiburadi/n/n2ed1a63d3b4e?sub_rt=share_pw
