
2026年4月1日、渋谷のラジオは開局10周年を迎えました。
2016年、コミュニティFMとしてスタートした渋谷のラジオは、大都市の渋谷で、もしも大きな災害が起きた時、この街にいる人たちがどう助け合えるのか、その問いから生まれて、10年間「渋谷のみんながつながるラジオ」として人と人とをつないできました。
10周年の節目を迎えた渋谷のラジオが新たに掲げたテーマが「渋谷の みんなを つなげる ラジオ」。
一人ひとりの声や想いが、未来をつくります。
渋谷で暮らす人の声や想いをこの街に響かせながら、新しいつながりを生み出していきます。
そんな渋谷のラジオの開局10周年を記念して、2026年4月1日、
渋谷のラジオ開局10周年特別番組「渋谷のみんなをつなげるラジオ」を放送しました。
渋谷駅東口地下広場に設置された特設スタジオからは8つのトークセッションをお届けしました。
15時からは、「渋谷×街づくり」をテーマに、渋谷の街づくりの今とこれからを考える時間。
渋谷の街でさまざまな取り組みをしている、⼀般社団法⼈SWiTCH代表理事の佐座槙苗さんと⼀般社団法⼈渋⾕駅前エリアマネジメント事務局⻑の峰﨑⼤輔さんをお迎えし、特に「環境」にフォーカスしながら、渋谷駅周辺での取り組みを振り返り、これから先、ともに何ができるのか、探っていきました。
島田 亜紀恵さん(以下、島田):ここからの時間は「渋谷×街づくり」をテーマに、カルチャーと都市の視点から「渋谷発サステナブル」の可能性を語る30分です。さっそくなんですけれども、お二人がどんな活動をされているのか、というところから伺っていきたいと思います。
峰﨑 ⼤輔さん(以下、峰﨑):一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントの事務局長を務めております、峰﨑と申します。今日の特設スタジオになっている渋谷駅東口地下広場の運営管理ですとか、あとは渋谷の駅前の大型ビジョンの管理運営とかそういったことをさせていただいていて、防犯とか防災、環境系の取り組みの情報発信とかもさせていただいているという形でございます。本当にいろんなところで、街の地域の方ですとか、渋谷の街の企業ですとか、いろんなステークホルダーのみなさんと楽しく面白いことをやっているっていう感じですね。
島田:ありがとうございます。そんな中ですね。今日は佐座槙苗さんもお迎えしています。いくつかある取り組みの中で、佐座さんはどんなところに関わっていらっしゃるのかもぜひご紹介ください。
峰﨑:わたしたちと⼀般社団法⼈SWiTCHさん、特に佐座槙苗さんたちとですね、こうした東口地下広場を使った、環境に関する啓蒙活動ですとか情報発信をしています。私たち単独でやるよりも一緒にやった方が、かなり効果的な部分もありますし、何よりもSWiTCHさんが渋谷に根差していろんな活動されているということから、今日こうした対談をするのであれば、私の方から佐座さん是非という形で、ご連絡させていただいた次第です。
島田:ありがとうございます。ぜひ佐座さんからもご自身の活動だったり団体のことを教えていただけますか。
佐座 槙苗さん(以下、佐座):ありがとうございます。今、峰﨑さんからご紹介いただいたとおり、わたしたちはSWiTCHっていう⼀般社団法⼈を運営しているんですけど、団体としては環境教育をしています。2050年パリ協定が実現している頃には大人になっている世代と言われている今の小学生とか、これから生まれてくる子どもたちへの環境教育を主に行っています。やはり環境教育って言っても、(今の)子どもたちが大人になる頃に環境にプラスに働く選択をできるような(人を育てるような)人材育成をしているだけでは今の時代は変わりませんので、今まさに渋谷にいらっしゃる大人のみなさん、観光客の方々、そして市民がどうすれば環境にプラスになる働きを選べるのかということで、エリマネ(一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメント)さんと一緒に環境啓蒙の発信などを担当させていただいております。
島田:ありがとうございます。渋谷でいろんな取り組みをされているお二人、この時間は「渋谷×街づくり」というテーマなんですが、特にその中でも「環境」というところにフォーカスしていきます。
およそ10年前って、それこそ「環境」っていうと、ちょっと渋谷はあんまりピンとこないっていうところもあったんです。渋谷っていう街は、「環境」という視点、あるいは側面から言うと、いかがでしょうか。
峰﨑:実はちょうど我々一般社団法人渋谷駅前エリアマネジメントができたのが10年前でございまして。特にいろんなデベロッパーを中心とした再開発が大きく始まっていくというのが、10年前でした。正確には、(再開発が)始まりつつあったりとか、一部できて(完了して)いたり。その中で、みんながみんな思うようにそのまま開発してしまうと、緑ってどうなってしまうんだっけとか、防災に対する取り組みってどうすればいいんだっけとか、もうちょっと計画的にみんなでしっかり足並み揃えて考えていこうねっていうのがきっかけだったりもしていて。放っておくと渋谷はどんどん緑がなくなっていってしまうっていう懸念もステークホルダーの人から寄せられたりしたので、まさにそこからみんなで考え始めたというような形ですよね。
島田:渋谷駅周辺を歩いているとなかなか緑ってないなと思いつつ、原宿駅周辺などは意外と公園も多かったりして、緑が見られますよね。
峰﨑:はい、「渋谷区」でくくると、それなりに緑はたくさんあって。明治神宮とか代々木公園だったり。ただやっぱり渋谷の駅前から緑を思い浮かべようとすると、確かに道玄坂とか宮益坂の方の素敵な並木もあるけれども、駅前の空間はぽっかり空きがちだよね、みたいなことは意識しないと、(緑で)埋めていきにくいようなところもあったりします。でも、ハードウェア的にじゃあ木を植えるかっていうとなかなかそうもいかなかったりするところから、ソフトウェア的に、街行く人の中への情報発信につながっていくと、すごくいい空間になるのかなという思いで活動していますね。
佐座:結構、地元渋谷区民とか市民のみなさんって、至る場所に実は緑があるよっていう認識はしているんですけど、緑が全部つながっている(という認識がある)かというとこれからの課題だとは思っています。が、渋谷区さんがそこはすごく頑張っていらして、中目黒につながる緑の街道とかもつくられていたり、さっき峰﨑さんがお話しされていた神宮エリアって大きな災害があるタイミングでは大雨が吸収されるとても特別な公園っていうので、やはり所々で緑なスポットはイメージあると思うんですけど。でもやっぱり、渋谷ってどんなイメージ?って聞かれた時に、パッて私の頭の中で浮かんでくるのって、「最先端」であったり「イノベーションが起きる場所」。その中で、やはり環境との組み合わせって、ただ緑をつくる場所じゃなくて、自然との共生をした時にどんなイノベーション、デジタルであったり、アップサイクルなのか、脱酸素って、どうすればその掛け合いがこの渋谷から世界に対して発信できるのかっていう方がすごい渋谷感があってワクワクするのかなとは思うんです。
島田:そんな中でどんな取り組みをこれまでやってきたのか、ぜひ詳しく伺いたいです。
佐座:エリマネさんとはもうここ3年ですかね、ご一緒させていただいていまして。まず最初にエリマネさんから、渋谷でなかなか環境にプラスに働くもの(取り組み)ってできていないからどうしようっていうすごく素朴なご相談を受けたんですね。で、私たちもこの渋谷スクランブルスクエアの15階にオフィスを置かせていただいているんですけど、ここから発信することってやっぱり最先端で、新しい今までにない、ただの「リサイクルを普及しましょう」ではなく、いろんな新しい環境との組み合わせを一緒につくっていきたいという思いで、じゃあこの渋谷駅周辺を管理されている業者さんだったら何ができるのかなっていうことで。最初スモールスタートでご一緒できるとしたら発信だっていうことを、ご相談いただいたんですね。で、みなさんもご存知の通り、エリマネさんってこの渋谷駅周辺の広域エリアを管轄されているのと、その周辺の渋谷ヒカリエ、渋谷スクランブルスクエアなどの建物が一緒に協力をして、渋谷盛り上げようとされているんですね。なので、その6カ所の壁面にあるデジタルサイネージを使わせていただいて、環境動画の発信をつくるところからスタートさせていただきました。本当に環境(の分野)で先進的な国を代表するような企業さんと一緒にコラボをして、こんなイノベーションが環境においてもできてるぞっていうことを、一緒に動画制作(発信)をさせていただいています。
峰﨑:我々が、今仰ったような媒体を管理させていただいているんですけれども、いずれもすべて我々が民間企業として所有しているっていうものではないので、いくらか公共的な活動に貢献できるような放送についても、やっぱりかなり意識しているというか。そこは渋谷区さんとも一緒にお話をさせていただいている中で、じゃあ自分たちが発信できるほどのメッセージとか情報、知見だったり思いがあるかっていうと(なく)、そこは(それらを)しっかり持っていらっしゃって、公的に活動されている団体のみなさんと一緒にやる方がいいんじゃないかというところから、SWiTCHさんとはまさに文脈としてはかなり合致しているっていうところになりますかね。
島田:子どもたちに対する、あるいは一緒にやる取り組みもあるんですよね。
佐座:そうですね。「渋谷で感じる海」(2024年8月、渋谷駅東口地下広場に展示)のインスタレーションをつくるタイミングでも、子どもたちに、自分だったらどんな海をきれいにしてくれるプランクトンを描きますか、つくりますかっていうことを一緒に想像を膨らませて考えてもらいまして、その絵も実際にこういった柱に巻いていったりもしたので。もう本当に、子どもたちにとって環境はすごい身近であるっていうことを楽しくわかりやすく、ワクワクするような気持ちをつくりながら常にすべてエリマネさんとのプロジェクトは並走して行っています。
島田:子どもたちは楽しんでいらっしゃいますか。
佐座:そうですね。逆に本当に子どもたちの方が創造性がすごく豊かです。私たち(大人)が渋谷駅周辺のゴミの課題どうすればいいのかな、悩ましいよっていう思いがあると思うんですけど、どうすればいいかなって子どもに相談したら、「あ、それだったら、ゴミ箱を面白い形にして、そこに投げたくなる、ゲーム感覚にできるゴミ箱をつくったらいいんじゃない」って。私たちがただ教える身になるのではなく、彼らから私たちが学ぶような体制づくり、双方向で学ぶ、そして体験して、そのアウトプットをつくるっていうのが、実際我々のプロジェクトにおいてもたくさん出ています。そういった機会を、発信であったり一緒に知るっていう場所を提供してくれているエリマネさんに私たちとしてもありがたいと思っています。一緒に街をつくっていくっていう意味では、渋谷の人たちはすごい心が温かいなと思うし、野心的なので、ある程度は。もっとやっていこうっていうその躍動感に乗って、子どもたちも、「世界一になるためにどうすればいいのかな」っていうことを考えた上でイノベーションを起こしていく人材は確かに集まっていて、渋谷の子たちはとっても特別な存在であるとはすごい思っているので、それをもっと活かしていきたいとは思っています。
島田:峰﨑さん、子どもたちと一緒に街をつくっていくとか、子どもも巻き込む、みたいなことって、やっぱり街づくりにおいて大事なポイントですかね。
峰﨑:もちろんです。どうしても、年齢を重ねたり、いろんな事業部や会社が横で絡んでいくようになると、「なるべく前提とかハードルは一回取っ払って考えましょう」って言ったとしても取っ払えない時って結構あると思っていて。取っ払ったつもりが全然、無理前提で考えちゃってるみたいな。だけど、子どもたちは本当にそういうのは全くゼロで考えてくることがあって。改めて自分たちでもう一回、「それなんでできないんだっけ」って考えてみると、意外にそこ工夫すれば突破できるんじゃないって思える「気づき」もいただいたりするので、すごくありがたいなと思います。逆に我々は学校組織と普段から接点を持っているっていうわけではないので、そういう意味では、SWiTCHさんの活動って、子どもたちのネットワークというんですかね、渋谷区内の小学生に直結されているのが、我々としては、一緒にお付き合いさせていただいてありがたいなと思っている部分ですね。
■トークセッション全編のアーカイブはこちら
https://note.com/shiburadi/n/na77603fd4c9a
